【サスティナビリティ特集】ファッション×サスティナビリティの先駆者!H&Mの取り組みについてインタビュー🌱💚
- ライフスタイル
- りなんつぇる
- 2022.8.18
こんにちは!JDライターのりなです♡
今回取材をさせていただいたのは、みんな大好きH&M💫👚
H&Mは知らない人はいないほど、どの世代からも人気があり、国内外で愛されているファッションブランド!
しかしファッション業界全体としては、世界第2位の汚染産業とも言われる深刻な問題に直面しています。
そんな問題をもっと詳しく知り、解決していくために、アパレル業界でサスティナビリティの先駆者として様々な活動を行うH&Mさんにお話をお伺いしました!🌱
今回お話を伺ったのは、
エイチ・アンド・エム
へネス・アンド・マウリッツ・ジャパン株式会社
田中都さん(以下、MIYAKOさん)、
須貝紗妃さん(以下、SAKIさん)、
田部星来さん(以下、SEIRAさん)です!です!
H&Mが取り組む「古着回収サービス」についてや、サスティナビリティへの取り組みについて、まだまだ知らなかったことをたくさん教えていただきました。
ぜひ最後までご覧ください!
◇全国117店舗のH&Mに設置されている「古着回収ボックス」
みなさんはH&Mのお店でこんなボックスを目にしたことありませんか?
実はこれ、「古着回収ボックス」といって、着なくなった服をH&Mの店舗で回収してくれるサービス。
利用するとデジタルクーポンやポイントを貰えるんです♻
りな
「古着回収サービスはいつからスタートしたのですか?」
MIYAKOさん
「2013年からスタートして、現在は全国117店舗すべての店舗に古着回収ボックスを置いています。
回収された服は関東、関西それぞれの倉庫に集められ、そこからファイバーシーディーエム株式会社という古着のリサイクルを扱う企業に渡り、選別されます。」
ジュリアナ
「どんな風に選別されるのですか?」
MIYAKOさん
「衣類の状態に応じて、リウェア/リユース/リサイクル/エネルギーの4種類に仕分けされます。」
【リウェア】そのままの状態で再び着れるもの。
【リユース】リメイクなど手を加えれば着れるものや、布として清掃用品などに使えるもの。
【リサイクル】繊維を裁断して、新たな繊維にしたり、自動車の断熱材などに再利用できるもの。
【エネルギー】1~3に当てはまらないもの。燃やした際の熱を回収し、エネルギーにする。
なお
「回収された衣類はどんな内訳で4種類に分けられていますか?」
MIYAKOさん
「日本では、リウェアとリユースが全体の80%ほどを占め、リサイクルが約7~8%、エネルギーが約3~4%となっています。
これを世界全体の内訳と比較したときに、リウェアとリユースの割合が実は日本はやや多く、まだ着れる状態のものを手放す方ケースが多いことが分かります。
そのままの状態で長く着ることが一番環境への負荷が少ないので、もっと日本でもできるだけ長く服を着用することの大切さを浸透させていきたいと思っています。」
りこ
「リウェアに選別された商品はどこに行くのですか?」
MIYAKOさん
「国内で売られることもあるのですが、海外の古着市場に送られるものもあります。
例えば片方だけの靴下などは、状態が良くても日本で古着として売れるかいうと、難しくなってしまいます。
しかしこれがインドや発展途上国などでは需要があったりと、国によって古着への需要も異なるので、その国や地域の需要に応じてファイバーシーディーエムさんが仕分けしています。」
なよ
「古着回収サービスを始めた頃と今とでは何か変化はありますか?」
SAKIさん
「2013年に始めたときはまだあまり認知度がなかったのですが、近年では日本でも世界でも多くの人がサスティナビリティやSDGsに興味関心を持ち始めていて、実際に古着を持ってきてくれるお客様も増えてきています。
以前は回収できるものにも制限があったのですが、今では汚れた状態の衣類やシーツなどのホームテキスタイルでも回収できるようになり、多くの方から利用の声が聞こえるようになってきたので嬉しいです。」
はな
「設置する上での課題はありますか?」
MIYAKOさん
「古着回収を始めた当初より回収量は増えているのですが、まだ服を捨てている人が多いのが現状です。もっと多くの人に知っていただき、利用してもらいたいという部分は課題だと思っています。
近くのH&Mに行けば、どんなブランドでもどんな状態でも回収を受け付けているので、より多くの人に知ってもらうことで、服を捨ててしまう人が減っていけばいいなと思います。」
◇「古着回収」がどんなことに繋がっているのかお伺いしました!
みそら
「そもそもなぜこのような取り組みをスタートさせたのですか?」
MIYAKOさん
「服が捨てられてしまうと、埋め立てられるか焼却されるかの二通りなのですが、埋め立てるにも場所は限られたり、燃やすことでもCO2が排出され温暖化に繋がったりと、環境への負荷になってしまいます。
また、服を作る際にも新たに資源を採ることで資源の枯渇という問題にもつながってしまいます。それをなくすには新しく資源を採って服を作るのではなく、すでにあるものをもう一度資源として活用し、循環させることが大切です。
その取り組みの一環として、古着回収をスタートしました。」
りな
「具体的にどのくらいの人々がこの古着回収ボックスを利用すれば廃棄問題は緩和されるのでしょうか?」
MIYAKOさん
「具体的に数字にするのは難しいのですが、私たちが目指すのは捨てられる服が0になることです。
地球への負担を減らし、すべての服がもう一度活用され、ファッションの楽しさを何世代にも渡って伝えていきたいと思っています。」
ジュリアナ
「H&Mさんにとっての “サスティナビリティ” とは?」
MIYAKOさん
「サスティナビリティやSDGsと聞くと、なんとなく環境をイメージする方が多いのではないでしょうか。もちろん環境についてもあるのですが、サスティナビリティとは「持続可能な」という意味で、続けていけるかどうかが大切です。
それは環境的にも社会的にも言えて、環境や人を犠牲にして成り立っているものは続けていくことができません。
また経済としても、ビジネスを継続させて社会に貢献していくなど、環境・社会・経済に包括的に取り組み、持続させていくことが “サスティナビリティ” だと考えています。」
なお
「このような活動を行うことで、他のブランドへの影響はありましたか?」
SAKIさん
「衣類の廃棄問題やサステナビリティはH&Mだけでは解決できない問題で、業界全体としてファッションとサスティナビリティの両立をおこなっていけるように、取り組んでいきたいと思っています。
H&M財団では、環境に配慮した革新的な素材や技術を毎年発掘し、表彰しているのですが、それもH&Mだけで独占するのではなく、誰でも使えるようにし、より多くの人に使ってもらうことで業界全体として環境問題に取り組めるようにしています。」
りこ
「池袋店に『PANECO®』が導入されましたが、『PANECO®』ってなんですか?」
MIYAKOさん
「『PANECO®』とは、使用済み衣類などをリサイクルして作られた、循環型繊維リサイクルボードです。池袋店に導入した『PANECO®』は、H&Mジャパンにおいて輸送や販売などの過程でダメージを受けた不良品を再利用して、お店の什器などに取り入れています。
全世界のH&Mで『PANECO®』を導入したのは池袋店が初めてなんです。」
なよ
「今後このような店舗が増えていくのでしょうか?」
MIYAKOさん
「現段階では本当に持続可能かを見極めるための試験として、池袋店に導入しています。
従来の什器と『PANECO®』の価格や強度などを比較し、本当にサステナブルなのかという点を様々な視点で見極め、ベストだと判断された場合には展開を増やしていければと考えています」
◇ファストファッションが問題視される中、H&Mの思いとは・・・?
はな
「H&Mさんは “ファストファッション” と言われていますが、ファストファッションが問題視される中でどういった思いがありますか?」
MIYAKOさん
「みなさんは “ファストファッション” って聞くと、どんなイメージがありますか?」
みそら
「大量生産や大量廃棄のイメージがありました。」
MIYAKOさん
「仰っていただいたように、ファストファッションには大量に生産して、余ったものを大量に廃棄しているというイメージがまだ強いのかなと思います。
H&Mでの生産においては、本社にAI部門があり、いつどの国でどんな服が求められているのかをデータで分析し、それに基づき生産、販売されています。
また廃棄についても、私たちは販売、リウェア、リサイクルできるのもは一切廃棄はしていけないというポリシーを掲げています。販売したものは売り切ることを目標に、次シーズンに回したり、需要の大きい国に送られたり、同じH&Mグループのブランドにオフプライスであらゆるブランドのものを販売しているブランドもあるので、そこに送られたりなどの仕組みを作っています。」
なお
「働く人への人件費の問題などのイメージもあるかもしれないです・・・。」
MIYAKOさん
「私たちは環境も社会も犠牲にすることなくファッションをお届けすることが重要だと考えているので、価格を設定する上で、決して人件費には影響されないことを大前提とし、それ以外の部分で抑えられる部分を探して調整しています。
私たちとしても、どうしたらこういった取り組みが伝わるかがまだまだ課題だと思っています。」
りな
「こうしたサスティナビリティな取り組みについて、H&Mさんの目指すゴールを教えてください。」
MIYAKOさん
「サスティナビリティとファッションの両立はH&Mが特に力を入れて取り組んでいる部分です。
ファッション業界は環境汚染産業と言われてしまう中、ネガティブなイメージを持つ人も多いのですが、ファッションは本来すごくワクワクさせてくれるものだと思っています。
ですがそれが環境や社会に悪い影響を与えているのであれば、それは私たちの望むことではなくなってしまうので、環境や社会を犠牲にすることなく、多くの人がファッションを楽しめる世界にすることが私たちの願いです。」
H&Mさん、貴重なお話を本当にありがとうございました!!
今回インタビューを終えて、ファストファッションに対する意識が変わったこと、
私たちの身の回りの洋服の処理方法として、捨てることはしない、など、お洋服に向ける意識が更に大きくなり、もっと愛を持って大切に着たいと思いました。
今世界中でお洋服が大量に出回っている中でその1着1着をどう着ていくか、どう扱うかでこれからの未来は決まると思います。
一人一人の力で世界を変えていきましょう!🌳
【今回取材したライター】
りな
アパレル産業が世界で第二位の環境汚染産業という事をもっと沢山の人に知って危機感を持ってもらいたいと思いました。家庭での洋服の処理方法やH&Mさんの企業努力を広めて少しでも多くの方に洋服を大切に愛を持って着用して欲しいと思います。
はな
国によって洋服の価値観が違うことがとても印象的でした。洋服の無駄な廃棄が少しでも無くなるよう洋服を長く大切にしようと思いました!この記事を始め、洋服が抱える問題を多くの人に知ってほしいです!
みそら
スタッフさんの方々が、1つ1つの質問に対し詳しく教えてくださり、現在世界が抱えている問題について深く理解することができました!リサイクルボックスがもっともっと広がっていけばいいなと思いました!!
ジュリアナ
お話を聞いている間、センメルヴェイスという男性が頭によぎりました。わたしたちが毎日手を洗うのは、つい150年ぐらい前に彼が世間に微笑されながらも細菌論を掲げていたのがはじまりだそうです。
「お洋服を捨てない」という習慣も、人間にとって当たり前になるのも近いような気がして、それにはH&Mさんのようなファッション企業が重要になってくるんじゃないかなと思いました。
昔は1人だけが掲げていたことが、150年後にはみんなの中のあたりまえになっているかもしれない。きっとサステナブルな社会も、ファストファッションの一翼を担うH&Mさんなら近い未来なんだと実感しました。
りこ
着なくなった洋服を何も考えず捨ててしまう人が多い世の中で、アパレル産業が世界にもたらす影響や問題について深く知ることが出来ました!H&Mさんが実施しているリサイクルボックスが広まりサスティナブルな社会に近づけたらいいなと思いました!
なよ
サステナビリティという言葉はよく耳にしますが、どこか難しい印象を抱いていました。しかし着なくなった洋服をH&Mさんのリサイクルボックスに入れるだけで実践することができると聞いて身近に感じることができました!この活動が多くの人に広まり、一人一人が環境を意識して行動できる社会になってほしいと思いました。
なお
正直、「環境に配慮してるって表向きに言ってるだけじゃないの?」そんな疑心暗鬼な気持ちで取材に挑みました。しかし、リサイクルボックスの設置だけでなく、その輸送方法まで考慮されており、リサイクルボックスの設置を「目的」とせず、私たち全員が取り組むべき問題への「手段」として取り組まれていることを知りました。どれほどH&Mさんが真摯に環境問題に取り組まれているかを知ることができ、改めて私達には何が出来るか考えさせられるきっかけとなりました。
▶️H&M 公式サイト:https://www2.hm.com/ja_jp/index.html