短編映画『MIMI』プレミア上映会レポート✨

短編映画『MIMI』プレミア上映会が5月21日(日)に行われ、阿部進之介、森永悠希、山下幸輝、榊原有佑監督、伊藤主税、稲葉繁樹(THINK AND SENSE)、松山周平(THINK AND SENSE)が登壇。横浜流星は代読メッセージ、山田孝之は事前に収録された動画コメントが放映された。



初めに一言挨拶が行われ、本日登壇することができなかった山田からはビデオメッセージが観客へ送られた。

山田「この作品の名前をどうしようかとなった時僕は映画撮影で海外にいたんです。その時に悩んでいる自分の目の前に鏡があって、そこに当然素の自分が映るわけで。それを見た時に俳優はスイッチが入ると表情が変わり、鏡をも俳優が役に入ってしまえば騙すことができるのだなと思ってミラー=鏡とライアー=嘘つきで“ミラーライアー”という造語を作ったところから始まりました。そしてその言葉から榊原監督が短編を作ってくれて、それを横浜流星が演じてくれたということでとても嬉しく思っています。まだ僕も観れていないので楽しみです。阿部ちゃん頑張れ」



“ミラーライアー”という言葉への山田の想いを聞いた感想を問われた阿部は「非常に山田らしいなという印象ですね。最近はどうか分からないですけど、若い時によく鏡の前でかなり表情筋のトレーニングをしていた時期があったみたいで、鏡と向き合うことが役作りの中でよくあったのだろうなと思います。なのでミラーライアーというのがすごく自然だなと思って聞いていました」とコメント。



伊藤へは本作を作ることになった経緯についてMCから問われ、伊藤は「4月22日から5月14日まで映画祭をやらせていただいていまして、そこで映画祭を記念して短編映画を作れないかなと思っていて。ミラーライアーという山田孝之さんが発案した言葉をなんとか使えないかなと思っていたところ、たまたま横浜流星さんから少しスケジュールに余裕ができそうだから短編映画を作ってみたいと連絡がありまして。山田孝之さんがいて、横浜流星さんもいるということで、これはミラーライアーらしい映画ができそうだなと思い榊原監督に相談しました」と製作までの経緯を説明した。



榊原監督へは映画製作の話を受けた時の心情について質問が投げかけられ、「横浜流星さん主演で映画を作るかもしれないから、作るとしたらどんな形がいいかなと話を受け、そこからスタートしました。製作するのであればどストレートにミラーライアーというワードから受けるインスピレーションで脚本を描きたいと話して、ディスカッションして作っていきましたね」と振り返っていた。



阿部にMCが脚本を読んだ際の感想を問うと「面白いなと率直に思いました。俳優が役作りをするって水面下で脚をバタバタしているのを見せるようなもので、その役作りの工程を経て映画ができているというのを“映画”という形で伝えるのは面白いなと思って脚本を読んだ時から早く参加したいなと思っていました」と話していた。



森永へも阿部と同様の質問が問われると「脚本を読んだ時はどうやろうかという感じがすごく強くて。台詞という台詞があまりなくて、伝えたいこととしておさえておきたいものはあるけど他はエチュード的にやってほしいと言われて、どうしようと…」と撮影を振り返り苦労を明かした。



山下には撮影背景を知った上での撮影への心意気について質問され「恐らく歴史が長いと思うんですよ。長くはなくても濃いんですよ。繋がりとかが濃いので、僕がそこに入り混じってもいいのかという不安はありました。ですが場所もあったかく、スタッフさんやキャストの皆さんもあったかくて、一歩すんといけたような気がして撮影は楽しくできました」「助監督役ということでカチンコを初めてそこで持たせてもらい、“カン”とやるんですけどそれを伊藤さんがすごく褒めてくれて!」と喜びを見せていた。



松山へは“作品のテーマや脚本を見た時にどのようなディレクションを望もうと思ったのか”という質問が投げかけられ「今回企画のお話をいただき、映画の中にも特殊な技術を使った要素を入れていこうという思いがありました」と話し、AIを作品に取り入れた経緯についてもコメントしていた。



稲葉へも同様の質問が行われ「人の魅力を新しく表現することをやっていきたいと考えていたタイミングで今回このお話があって、共同制作をさせてもらうことになりました」と話していた。



また本日山田同様会場に来られなかった横浜流星からはメッセージが送られた。
「本日はお忙しい中ご来場いただきありがとうございます。お伺いできず残念です。申し訳ありません。山田孝之さんが発案した“ミラーライアー”(俳優は鏡をも騙す)という言葉の意味を自分なりに受け止め演じさせていただきました。企画段階から脚本開発、役のキャラクター、企画へのアイデアなど出させていただき、作品作りへ一歩深く踏み込んだ形でも、携わらせていただきとても有意義な時間を過ごせました。今日は楽しんでください」と横浜のメッセージを伊藤が代読していた。

最後に一言挨拶が行われ、
山下は「ずっとテレビの前で見ていた方とお仕事をするというのは鏡を見ているというか、自分の写っていない鏡を見ているみたいで、わからない世界に足を踏み入れているみたいで楽しかったです。僕自身俳優として、いいスタートをきれそうな気がするなと作品を作っていて思いました。これからもよろしくお願いします」





森永「こうやって見た直後の方々と、私どもとの空間を共有できて楽しかったです。ありがとうございました」



阿部「上映後の皆さんと対峙できるというのは、先に聞いてしまったら楽しめない部分だったりもあるので、すごく嬉しいなと思いました。この話を聞いてもう一度見ていただくと、また見えてくるものがあると思うので、もしよかったら公開した後も観ていただけると嬉しいなと思います。また俳優というのはこんな感じなのだなと頭の片隅に置いていただけると嬉しいなと思います」と締めプレミア上映会は終了した。

©︎2021 MIRRORLIAR FILM PROJECT

いのうえあやの

【記者・カメラマン】芸術学部写真学科在学中4年の井上綾乃です。高校時代からの記者経験を生かし、いち早くイベントレポートをお届けできるよう頑張ります。